事後避妊で出来れば避けたい手術方法

薬の瓶を持っている医者

事前の避妊に失敗して、やむを得ず事後避妊せざるを得ない場合があります。
性行為から72時間以内に婦人科の病院に通院すれば、薬物や器具を使って事後避妊が可能です。
通院は早ければ早いほど高確率で事後避妊できますが、100%というわけではありません。
72時間以上経過してしまうと、もはや通院だけで事後避妊するのは難しく、人工妊娠中絶手術が必要になります。
手術ですから費用もかかりますし、体への負担も大きくなるので注意が必要です。

人工妊娠中絶手術は妊娠21週目まで認められており、それ以上経過していると違法になります。
おおむね妊娠12週未満と12週以上では手術の方法が異なり、一般に時期が早いほど体への負担は軽くなります。
12週未満の場合、海外では人工的に流産を起こさせる薬を使って、比較的簡単に中絶することができますが、この薬は日本では認可されていません。
したがって吸引法またはそうは法という方法で手術をすることになります。

吸引法は子宮に吸引器を入れ、掃除機のように内容物を吸い出す方法です。
慣れていない医師でも使いやすい器具ですが、細かいところまで対応できないことがあります。
そうは法は鉗子などの器具を使って、物理的にひっかき出す方法です。
熟練した医師なら上手に処置できますが、慣れていないと器具で子宮を傷つける恐れがあります。
いずれの場合も苦痛を伴うので、麻酔薬や鎮静剤などを使用するのが普通です。

妊娠12週目以降になると胎児がすでに相当大きくなり、吸引法やそうは法では取り出せないので、分娩と同じ形で中絶させることになります。
すなわち膣から医療器具を挿入して子宮頸部を人工的に広げた後、プロスタグランジンなどの陣痛誘発薬を使用し、分娩台の上で胎児を産み落とします。
子宮頸部を広げるときは麻酔を使いますが、分娩の際には麻酔が使用できないため、通常の出産と同様に精神的にも肉体的にも苦痛を伴うのが普通です。

手術が必要になる前にそのリスクを知っておきましょう

人工妊娠中絶手術では、母体に危険があると医師が判断したときのみ保険が適用されます。
それ以外は原則として保険の適用外となるため、かなりの費用がかかります。
妊娠初期であれば比較的安価ですが、それでも10万円程度はかかるのが一般的です。
後になればなるほど、手術も難しく費用も高額になっていきます。
なお保険診療ではないので、病院によって費用は異なります。

お金の問題以上に、手術そのもののリスクに注意が必要です。
吸引法やそうは法では器具で子宮内や膣内を傷つけたり、感染症を起こしたり、胎盤の一部が取りきれずに残ったりする危険があります。
また麻酔が切れれば痛みを感じますし、しばらくは出血や発熱が続くことも珍しくありません。
12週目以降は通常の出産と同じリスクがあり、それに麻酔や器具の使用によるリスクが加わります。

肉体的な負担だけでなく、メンタル面でのダメージも考えておかなければなりません。
手術のときの苦痛や恥ずかしさがトラウマとなって、性行為に恐怖を覚えるようになる方もいます。
胎児は12週目未満は医療廃棄物として処理されますが、12週目以降は死産として扱われ、死産届を提出したり葬式を行ったりする必要があります。
こうしたことから一生続く罪悪感を背負ってしまう場合もあります。

最近では初期の妊娠なら日帰りで中絶手術を行っている病院も多く、軽く考えている方もいるようですが、上記のようなリスクがあることを知っておきましょう。
できるならば事後避妊は避け、あらかじめ万全の避妊対策を講じることが大切です。
そしてもし事後避妊が必要になったときは、リスクを低下させるためにも、なるべく速やかに決断を下すようお勧めします。